世界の旅行者から、「最後の秘境」、「シャングリラ」と評されるブータンは、ヒマラヤ山脈の東端にある仏教王国です。近年まで鎖国状態にあったため、「ヒマラヤの桃源郷」ともよばれています。国土のほとんどを覆う山岳地帯には、手つかずの大自然が残されており、ブータンを訪れる人々を楽しませてくれます。また、近隣の仏教文化圏が近年のグローバリゼーションの中でその文化的特徴を失いつつあるのに比べ、ブータンには今もなお中世の雰囲気を感じさせるオリジナルの仏教文化を色濃く残しています。
また、ブータンは国民の心理的幸福などを指標とする「国民総幸福量」(GNH)を重視する国として知られています。国や国民の豊かさを表すのは「お金」では無く、国民の笑顔、つまり幸福感であるというGNH概念は、世界でも注目されています。2005年に行われたブータン政府による国勢調査では、「あなたは今幸せか」という問いに対し、9割の人が「幸福」であると回答しています。
雄大なヒマラヤ山脈を臨み、豊かな自然と、土地に深く根ざすチベット仏教の精神を感じる幸せの国・ブータンへ。一度足を伸ばしてみませんか?
■ブータンへのご旅行について
ブータンでは観光客の人数を制限しており、旅行費用も国定料金が定められています。また、ブータンのご旅行に必要な観光ビザの取得は、基本的に旅行会社を通じてしか行うことができません。お客様自身でブータン国内の旅行会社に直接お申し込み頂くことも可能ですが、勿論、弊社でもお申込みを受け付けております。お気軽にお問い合わせくださいませ。
※その他、ブータンへの入国やビザ取得については、このページ下部「ブータンへの入国について」をご覧ください。
幸福のヒマラヤ王国 ブータン満喫6日間
幸福のヒマラヤ王国 西ブータン三都満喫8日間
聖峰チョモラリを仰ぐトレッキング12日間
リムカトレッキング8日間
ドゥルックパス・トレッキング12日間
ブータン旅行の最大の見どころともいえる、ブータンのお祭り。有名な「ツェチュ」をはじめ、各地で個性的なお祭りが開催されています。
■パロ・ツェチュ(開催時期:3月〜4月頃)
最大規模のツェチュで、パロ周辺だけでなく全国から見物客が訪れ、アクセスの良さから外国人観光客も一番多いです。
■クジェ・ツェチュ(開催時期:6月〜7月頃)
ブムタン地方の中心ジャカルから少し北にある寺院、クジェ・ラカンで1日だけ行われるツェチュ。
■ティンプー・ツェチュ(開催時期:9月〜10月頃)
首都ティンプーで行われるため、こちらも見物客は多めです。2008年からタシチョ・ゾン横の広場で開催されています。前日までティンプー・ドロチェンも開催されるため、ほぼ1週間お祭りが続きます。
■ワンデュ・ツェチュ(開催時期:9月〜10月頃)
ワンデュ・ポダンの断崖の上にあるゾンで行われるツェチュ。ティンプー・ツェチュと時期が重なるためこの時期に行くとどちらも見学することができます。
■トンサ・ツェチュ(開催時期:12月〜1月頃)
深い谷の中にあるトンサで行われるツェチュで、幻想的な雰囲気に包まれます。時期が時期だけに寒さ対策は万全に。
ブータン滞在中の食事は、基本的には旅行会社が手配する街中のレストランやホテルで取ることとなります。レストランやホテルでの料理はそのほとんどがビュッフェ形式のもので、主食(赤米、カランと呼ばれるトウモロコシのご飯など)と4、5品程度(場合によってはそれ以上)のおかず類を好みで取り分けて食べます。
おかず類の例としてはジャガイモとチーズの煮込み、ジャガイモと豚のバラ肉の煮込み、山菜とチーズの和え物、トマトとチーズの煮込み、川海苔のスープ、茹でたアスパラガス、モモ(チベット風ギョウザ)、野菜の炒め物などです。ブータン料理のベースとなっているのはトウガラシなどの香辛料とチーズやバターなどの乳製品で、全般に辛い料理が多いです。
宿泊施設については、基本的にブータン国内の代理店が指定したホテル等を利用することになります。そもそも旅行代金が公定価格のため、一般には中級程度のクラスのホテルの中から選ばれるようで、いわゆる安宿の類とか高級ホテルが指定されることはないでしょう。
現地でのホテルの選定方法についての詳細は不明ですが、おそらく現地の代理店と日常的に取引のあるホテルの中から、目的地や空き状況を見て選ばれているようです。それが可能かどうかについては定かではないですが、あらかじめ泊まりたいホテルがあるようなら、ホテル名を事前にリクエストしておくのもいいかもしれません。
なお、高級ホテルについては、追加料金を支払い、かつ空きがあれば宿泊可能なようです。
●ガントク・パレス・ホテル (パロ) | ●プンツォ ペルリ(ティンプ) | ●サンドペルリ(プナカ) |
ブータンは、高い山脈と繁茂した谷、雪で覆われたピーク、澄みきった流れの泉、素朴でエコロジーな生活を営む人々と珍しい野生生物の住むエキゾチックな王国です。インドとチベットの間奥深い山々に隠されたこのヒマラヤ山脈東部の王国においてトレッキング、ハイキングは理想的なアクティビティーです。威厳のある山脈を抱え、ユニークな文化遺産および暖かく親しみのある人々の暮らす近代文明に害されていない国と言えるでしょう。
トレッキングコース | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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チョモルハリ 12日間 コース内容 |
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リムカ 8日間 コース内容 |
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ドゥルック パス トレッキング 12日間 コース内容 |
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ラヤ / ガサ 21日間 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
ダガラ千の湖 13日間 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
サムテンギャン冬季 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
ブムタンカルチャー 13日間 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
ドゥル温泉 17日間 | ● | ● | ● | ● | ● |
ブータンに数ある寺院・僧院の中で最も有名なのがこのタクツァン僧院。パロの谷から高さ900mの切り立った断崖の上に建つ聖地です。タクツァンとは「虎のねぐら Tiger's nest」の意味で、チベット仏教をブータンにもたらしたパドマサンババ(グル・リンポチェ)が虎に乗ってこの地にやってきたことに由来しています。下から見上げると断崖絶壁にどうやって登っていくのか不思議ですが、しっかり整備された山道があります。中腹にはレストハウスがあり、その標高がちょうど約3,000mとなります。そこで、ランチ休憩をとることもできます。レストハウスまでは馬に乗って登ることも可能です。
タシチョ・ゾンは国王の執務室や各官公庁、そしてブータンにおける仏教の頂点に立つ最高僧ジェ・ケンポの居室があり、いわばブータン王国の中枢を担う施設です。1771年の火災などで被害を受けたことから新築・移転し、その後も増改築が繰り返され現在見られるような姿になりました。釘を使わずに木材を組み合わせるブータンの伝統工法で建築された赤と金で彩られた細かな装飾の美しい建物で、その大きさもさることながら訪れる者にある種の威厳を感じられます。
ワンデュ・ポダンはティンプーと中部・東部を繋ぐ東西横断道、そして南部を繋ぐ道路の合流地点にある交通の要衝です。川(プナツァン・チュ)に挟まれた細い谷にあり、それを見下ろすように丘の上に建つのがワンデュ・ポダン・ゾン(Wandue Phodrang Dzong)。1638年にシャブドゥン・ガワン・ナムゲルによって建てられ、特に南からの侵略を牽制するために大きな意味を持っていたゾンです。ワンデュとは、シャブドゥンがこの地を初めて訪れた時に川で遊んでいた少年・ワンディ(Wandi)に由来しています。
現在、町は4キロほど北の新市街への移設が進められていています。2012年6月24日午後、ワンデュ・ポダン・ゾンで漏電が原因とみられる火災が発生し、ほぼ全焼しました。一部の重要な像や文化財は持ち出すことはできたとのことですが、特に行政部門にストックされていた統計や資料がすべて失われてしまったということです。
キチュ・ラカンはパロの中心部から川沿いに5キロほど北上した場所にある寺院で、659年にチベット(吐蕃)王ソンツェン・ガンポによって建立されたものとされています。ソンツェン・ガンポは仏教の布教のために108の寺院を建立したとされていて、そのうち現存するのはこのキチュ・ラカンとブムタン地方のジャンパ・ラカンのみとなっています。
旧堂(ジョ・ラカン)と新堂(グル・ラカン)が寄り添うようにして建っていて、新堂は1968年に第3代国王の王妃ケサン・ワンチュクによって建立されたものです。旧堂には本尊であるお釈迦様と千手観音が、新堂にはパドマサンババ像が安置されています。小さな中庭にはミカンの木が一本立っていて、不思議な空間となっています。
ブータンの首都ティンプーから冬の都と呼ばれるプナカに向かって1時間ぐらいドライブした所に標高3,150mのドチュラ峠があります。ドチュラ峠には2004年に108基のチョルテン(仏塔)ができました。4代目国王の第1夫人が国王や国民のために作りました。雨季は霧につつまれ神秘的な風景。乾季、特に冬の時期には青空のもと、遠くにはブータンヒマラヤ山脈が連なっているのが見えて素晴らしい風景です。夜にはライトアップも。
この峠には本当に多くのプレイヤーフラッグ(祈りの旗)がはためいています。とてもブータンらしいところです。プナカやフォブジカ、ブムタンに行かれる方は必ず通りますので、その日のドチュラ峠の風景をお楽しみください。
谷の合間に棚田が広がる景色が印象的な古都プナカは、1955年に首都がティンプーに移されるまで首都として機能していた町です。ティンプーよりも標高が1,000m以上低く、通年で温暖なため米の二毛作の他バナナやオレンジなどの農業が盛んな地域です。
ここの見どころはなんといってもプナカ・ゾン(Punakha Dzong)。1637年にシャブドゥン・ガワン・ナムゲルによって建設された別名「最高の幸せの宮殿(Pungthang Dewachen Phodrang)」とも呼ばれる美しいゾンで、2つの川が合流する地点に建っています。冬の間は寒冷なティンプーからジェ・ケンポ(大僧正)の居城となり、タイミングによっては直接祝福を与えていもらうこともできるかもしれません。内部は3つの中庭があり、3つ目の中庭の先にある講堂の右側のお堂「マチェ・ラカン(Machey Lhakang)」にはシャブドゥン・ガワン・ナムゲルの遺体が安置されています。
プナカの少し手前、ソプソカの村から周囲を田んぼに囲まれた農道を10分ほど歩いて行くことのできるお寺、チミ・ラカン(Chimi Lhakang)はちょっとしたハイキングに最適です。チミ・ラカンは1499年に建立された、風狂の聖人ドゥクパ・クンレイゆかりの寺。子宝の寺として知られていて、日々多くの女性が訪れています。
ブータンへの主な入国経路は、ブータンの航空会社ドゥルック・エアーで、空路からパロに入るルートです。これ以外にも、陸路で西ベンガルのインド平野でブータンとつながる南部のプンツォリンから入るルート、インドのアッサム州とつながるゲレフーやサムドップ・ジョンカルから入るルートもあります。
■空路
ブータンへは、空路でブータン西部のパロから入国することができます。パロは、一番高いところで海抜約2,200m(7,300フィート)あり、4,900m級の山々に囲まれています。首都ティンプーまでは車でおよそ1時間です。ブータンの航空会社であるドゥルック・エアーは、2機のエアバスA319を運行しており、バンコク、デリ、カルカッタ、ブッタガヤ、カトマンズ、アッサム州のグワハティに就航しています。日本からは、バンコク経由がもっとも便利です。羽田からの場合は、深夜羽田発、早朝にバンコク乗り換えで、翌朝にはブータン到着、という旅程が可能です。
【ドゥルク・エアー ウェブサイト】 http://www.drukair.com.bt/
■陸路
陸路で旅行者が入国できるのは、プンツォリン、ゲレフー、東端のサムドップ・ジョンカルの3都市です。
プンツォリンの町は、インドの国際空港、バグドグラから約170km東にあります。プンツォリンから首都ティンプーまでは、車で約6〜8時間かかります。
南中央に位置するゲレフーもまた、ブータンに入国できるポイントです。ティンプーから約250kmのところにあり、その道のりは亜熱帯の地域から始まり、そのうちに高山地帯に入り、そしてやっとティンプーに到着します。3つの州を横断しなければならず、ティンプーまで約10時間かかります。
サムドップ・ジョンカルは、ブータンに東から入国できる唯一のポイントです。インドのアッサム州ダランガ地区に隣接し、アッサム州の首都、グワハティから約150kmのところにあります。グワハティからは、約3時間かかります。サムドップ・ジョンカルから首都ティンプーまでは約700kmで、少なくともティンプーに着くのに3日程度かかります。
観光客としての入国には、観光ビザが必要です。観光ビザは、旅行会社を通じて手配することができます。旅行会社にお問い合わせ頂き、パスポートなど必要書類を提出の上、観光ビザを手配してください。入国の際は、観光ビザのコピーが必要になります。
現在のところ日本国内にはブータン大使館や領事館、名誉領事館などブータン関連の外交施設がないため、出発前に国内でビザを取得することはできません。ビザは、出発前にブータン政府入国管理局から旅行会社を通じてあらかじめ送られてくるビザ承認書を現地に持参し、到着時に入国審査官から直接発給してもらう方法が取られています。
ビザ承認書には、ビザの承認番号や旅客名、国籍、パスポート番号や寄港地(ドゥルック・エアーの乗機地)、滞在期間などが記載されており、入国審査官がそれらの情報を照合の上、滞在日数分のビザをその場で発給します。ビザ承認書というやや特殊な形態が取られている以外は通常のアライバル・ビザ(観光ビザ)を取得するのとさほど変わりはなく、手続きも至ってスムーズです。 なお、ビザ承認書は、入国時だけでなく、ドゥルク航空に搭乗する際などにも提示が求められるので、ブータン入国までなくさないようにしてください。